設立の趣旨 

 

 人はみなその人らしさを生かしつつ、誇りと自信をもって生きてほしい。

 

 幼い子どもの姿を見つめてみると、内からつきあげるように、 知ろう、わかろう、

できるようになろうとし、より伸びようとしていることが受けとれる。そのようないのちに溢れ、

活き活きしたこころをもつ子どもを、認め、尊重し、援助していくことこそ大人の役割である。

その思いが基にある豊かなこころの交流の中で、子どもは自信に充ちた自己形成ができ、

他への信頼感も得、健やかな成長が遂げられる。

 

 そのためには、子ども及び子どもをめぐる問題について、

いつも子どもの視点に立ち捉えていきたい。

が、いま子どもをとりまく周辺は、個々の違いを認め見守るよりは、

大人の描く枠組みに入ることを求める面が強い。

子どもにとって重要な存在である母親も、その風 潮の中で子育てに重圧を感じ、

不安や孤立感にとらわれている場合が多い。

子どもにとって人生の基礎づくりのときは、母親にとっても子育てという貴重な経験をし、

人間として成長するときである。母親また周囲の大人の現状での課題を探り、

援助の活動を展げていきたい。

 

1997年10月設立